【知識Q&A】労働契約について
Q:労働契約について教えて下さい。
A:労働契約については、中国の労働法、労働契約法という法律で細かく定められています。中国人も外国人も、中国国内の企業で働く場合には、かならず書面による労働契約を締結することが義務付けられています。
(外国人の就労ビザ申請時の提出書類にもなっています。)
労働契約の内容は企業により若干異なりますが、必ず次の内容が含まれていなければなりません。
1)使用者の名称、住所及び法定代表者或いは主要責任者
2)労働者の氏名、住所及び身分証明書或いはその他有効証明書の番号
3)労働契約期限
4)業務内容及び勤務場所
5)労働時間及び休憩休暇
6)労働報酬
7)社会保険(中国人の場合)
8)労働保護、労働条件及び業務上の危険と防護
9)法律及び法規が指定する労働契約に記載すべきその他の事項
上記のほか、教育研修、機密保持、補充保険、福利待遇についても取り決めることが認められています。
労働契約期間は1年間が一般的です。この場合の試用期間は最長2カ月で、年間12ヶ月間の最初の2ヶ月が試用期間ですので、ご注意ください。
現地採用者の場合、中国語ができるという前提で採用されるケースがほとんどですので、通常は中国語版の労働契約書を作成します。(労働契約書の日本語訳を準備している企業はそれほど多くありません。)
労働契約の内容について疑問な点がある場合には、締結以前に、採用企業に疑問点について質問することができます。また、違法となる内容でなければ、採用企業と被採用者が同意した内容を付け加えることも可能です。被採用者に不利益となる違法な内容を含んだ労働契約が原因で退社する日本人のケースも発生していますので、ご注意下さい。
また、労働契約書は二部作成し、採用企業と被採用者がそれぞれ一部ずつを保管します。労働関係の根拠となる重要な書類ですので、大切に保管するようにして下さい。
尚、私たちは労働契約に関する疑問やお悩みをお持ちの現地採用者の方からのご相談を受け付けております。ご相談者のプライバシーは厳守いたしますので、お気軽にご相談下さい。