日本人の現地採用について
ご存知のように、日本人の現地採用を進める企業が急増しています。
従来の採用職種としては営業職や品質管理等、日本人の特性を活かす職種が主体でしたが、ここ数年の市場の変化に伴い、募集職種も多様化してきており、あらゆる業界で日本人の現地採用のニーズが発生していると言っても過言ではない情況です。
同様に、中国での就職を希望する日本人求職者も年々増加しており、日本人の現地採用は企業の人事戦略として今後も更に重要性を増してゆくものと考えられます。
一方で、日本人現地採用特有の理由により採用が難航するケースも発生しており、これから日本人の現地採用をお考えの企業は注意が必要です。
日本人の現地採用において、特に注意が必要なポイントをご紹介します。
日本の家族の同意は得られているか?
せっかく内定を出しても、家族の同意が得られず最終的に内定を辞退する日本人求職者も少なくありません。求職者本人が就職活動を始める前に家族と相談しておくべきですが、書類選考の際、企業側も再度確認しておく必要があるでしょう。
また、家族の反対を押し切って就職した場合、この点が将来的に退職理由になる可能性も残ってしまいます。企業側も必要に応じ、家族の同意を得られるよう求職者に協力してゆくことも必要です。
家族の健康状態は良好か?
家族の看病のため緊急帰国が必要となり、内定辞退や退職に至るケースが発生しています。特に求職者の親が高齢の場合は家族の健康状態や兄弟姉妹の有無を確認しておく必要があるでしょう。事前に確認しておけば、いざという時にスムーズに対応してゆけるはずです。
求職者の健康状態は良好か?
採用に至っても、ビザ取得のための健康診断で問題が発生し、採用を取り消さざるを得ないケースが発生しています。面接の際、最後に健康診断を行った時期と結果、持病の有無などについて確認しておく必要があるでしょう。求職者の健康状態に問題がある場合には、無理に入社手続を進めて業務スケジュールに支障を来たすより、求職者の治療を待ってから入社手続を進めることをお勧めします。
当然のことですが、日本人の現地採用には経験や技術、能力、待遇条件だけでなく、求職者が中国で就職できるか否かという基本的な採用基準が前提となっています。現地採用の場合でも、これらの採用基準は本社が日本人駐在員を派遣する際に考慮される基準とほぼ同様だと言えるでしょう。
上述のポイントはあくまでも基本的な内容です。実際の採用活動においては、更に細かい部分まで事前に確認してゆければ理想的です。
また、このような確認事項には求職者個人のプライベートに関する内容が多く含まれているはずですので、書類選考や面接時には求職者の同意を得ながら確認作業を進めてゆく配慮が必要です。