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採用面接でのタブーについて

 

ある日本人総経理より採用面接でのタブーについてご質問を頂きました。日本や東南アジアでの面接経験は豊富ですが、中国での面接は初めてに近いということで、中国で特に注意が必要な面接内容について懸念されているということでした。


確かに、面接では応募者をより理解するため、仕事と直接関係のない話題が必要になってきます。面接内容によっては応募者の誤解を招き、採用機会の喪失や企業のイメージダウンに繋がる可能性もあり、このような懸念をお持ちの方は多いのではないでしょうか。


先ず、法的な角度から見ると、中国労働法「労働者の就業に当たっては、民族、種族、性別、宗教の信仰の違いにより差別されない。」(第12条/意訳/本文執筆時点)に直接抵触する内容は採用面接の話題としては不適切であり、これは日本や他の国と同様です。


業務の必要上、面接でやむを得ずこれらの内容に触れなければならない場合は、応募者に誤解や理解不足を招かないよう配慮が必要です。これは、不採用となった場合でも、応募者に差別を受けたと感じさせない表現や説明が必要ということです。


上記以外にも政治や歴史に関連する話題は仮に双方に興味がある話題であっても、採用面接本来の目的には直接関係が無く、面接においては不適切です。稀に応募者側からこのような話題が出される場合もありますが、「面接とは直接関係が無い」と毅然とした態度で話題を打ち切るのがベターでしょう。


また、日本と中国を比較するような内容については、優劣を付けるのではなく、双方の特色を把握し参考にするためというような補足説明が必要です。
採用面接に不適切な話題は面接の進展状況により思いがけず現れることがあります。

 

従って、面接に際しては先ず何を確認すべきかを明確にし、事前に面接の内容を吟味しておくことがポイントになります。また、この際に面接内容のフォーマットを作成しておけば、後日、複数の応募者を統一の基準で比較するための資料にもなるでしょう。
ご経験のある方も多いかと思いますが、相互選択の意識が強い中国においては、応募者側から「何故、そのような質問をするのか?」と逆に質問が出される場合があります。

 

この際、事前に吟味された質問内容であれば、採用企業として質問の意図を即座に説明でき、企業をアピールする機会にも繋がります。


また、面接の冒頭部分で応募者に対し、話したくない話題については回答しなくてもよい旨を一言伝えておくことをお勧めします。万一、面接内容が不適切な内容に及んでしまった場合のブレーキになると同時に、企業が応募者の意思を尊重する態度を示すことで、応募者にとっても胸襟を開きやすくなる効果が期待できます